経営
前回(第8回)は、会社の本当の体力を示す「純資産」に注目し、自己資本比率や利益剰余金の読み方についてお伝えしました。
純資産は、これまで積み上げてきた「返済不要の自分のお金」であり、会社の安全性と成長の土台になる大切な要素でしたね。
一方で、貸借対照表には純資産の上にもう1つ、大きなブロックがあります。
それが、今回のテーマである「負債」です。
「負債」と聞くと、「借金」「返さなければいけないお金」といったマイナスのイメージが強いかもしれません。「うちはなるべく借金をせず、現金だけでやっていきたい」と考える経営者も多いでしょう。
しかし、本当に「借金=悪いもの」なのでしょうか。
前回お伝えした通り、純資産は会社の体力を示す「守りの力」だとすれば、負債は、使い方次第で会社の成長スピードを高める「攻めの力」にもなります。
今回は、財務会計が苦手な整備工場の経営者の方にもわかりやすいよう、「負債」についてやさしく解説していきます。
負債とは、「将来、お金やサービスを支払う約束」のことです。
その中でも、将来の利益につながるものは“良い借金”、返済のためだけに苦しむものは“危ない借金”と考えるとわかりやすくなります。
貸借対照表の右側には、「負債」と「純資産」が縦に並んでいます。
このうち負債の欄には、将来返さなければいけないお金が並んでいます。銀行借入金や買掛金、リース債務など、「いつまでに、いくら返すと約束しているか」が数字として一覧になっています。
いずれも「将来、誰かに支払わなければならない約束」があるため、貸借対照表では「負債」としてまとめて表示されます。
ここで重要なのは、借金そのものが悪いわけではないということです。
「良い借金」と「危ない借金」の特徴をまとめてみました。
同じ「1,000万円の借入」でも、最新のスキャンツールを導入して高単価の整備を増やすための投資(良い借金)なのか、毎月の赤字を埋めるために、なんとなく借り続けている(危ない借金)のかによって、その意味合いはまったく変わってきます。
返済期限が1年以内のものが「短期負債」、返済期限が1年を超えるものが「長期負債」です。
支払期限の長さによって、資金繰りへの影響も大きく変わります。
負債の部をよく見ると、上の方に並んでいる項目と、下の方にまとめて表示されている項目があります。
上が「流動負債」。下が「固定負債」です。
同じ借入金でも、「1年以内に返す部分」と「それ以降に返す部分」は資金繰りへの影響がまったく違います。
現場感覚で言えば、流動負債は「この1年で頑張って支払うべきお金」、固定負債は「何年かかけてじっくり返していくお金」です。
といった状態は、資金繰りの息切れを招きやすくなります。
設備の耐用年数(何年使う予定か)と、借入の返済期間(何年で返すか)が大きくズレていないか、1度見直してみると良いでしょう。
「借りない=安全」とは限りません。
適度な借入は、会社の成長スピードを高める「エンジン」にもなります。
大切なのは
無料会員登録すると…
リアクションをいただけると
はげみになります
参考になった
0
もっと知りたい
0
うーん…
0
この記事を
お気に入り登録する
ビズピット㈱代表 小野健一(オノケン)
1981年大阪府吹田市生まれ。2006年兵庫県立大学大学院を修了後、自動車部品メーカーにて14年間主にディーラーオプション部品の企画から設計、販売まで一貫した事業開発を経験。2020年自動車アフターマーケット向けの事業開発を行うビズピット株式会社を創業。自動車事業開発の第一人者。 …
ビズピット㈱代表
小野健一(オノケン)
みんなのコメント
このコメントは削除されました
このコメントは削除されました
削除
通報
返信
コメントの削除完了
新しいコメントを待っているぞ
コメントを削除する
「削除する」ボタンを押すと、すぐにコメントが削除されます。
通報完了
通報ご苦労であった!
通報する
モビノワで禁止している投稿は、利用規約で規定されています。利用規約に違反していると思う理由を選択し、問題点をお知らせください。
※報告していただいた内容が、他の会員に伝わることはありません。
いただいた報告は、事務局が1件ずつ確認いたします。